6 現代−黙示録の時代   6 現代−黙示録の時代 


(1) キリスト教の広がりと現代
最初、キリスト教の広がりをざっと振り返って見よう。
 キリスト教はイエス誕生から約400年後に、当時の世界帝国であるローマの国教となり、 その後、概略1,000年間ヨーロッパを中心に広まった。 そして新大陸の発見と、 ほぼ同時期に宗教改革があり、キリスト教はアメリカ、アジアへと広がり、 全世界に伝えられた。(マタイ24:14に 「そして、御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。 それから、終わりが来る。」とある。 この世の終わりに起きる出来事について、黙示録が預言している。)
 ヨーロッパやアメリカでは 現在も大部分の人がキリスト教徒であるが、 礼拝出席率はここ100年で下がっており、ヨーロッパでは約10%、アメリカでは約40%である。 また、ここ数10年、ヨーロッパ、アメリカ及びその他の地域で性の乱れが進んだ。
 黙示録には、人々の偶像礼拝(神への不信仰)と不品行(性の乱れも含まれる)、 それに対する神の激しい怒りが、繰り返し述べられている。

(2) 黙示録の構成
黙示録の構成を簡単に述べると、
@巻物の7つの封印を開くこと
A災いの連鎖の第一弾として7人の天使がラッパを鳴らすこと
B太陽をまとった女が現れること
Cその像を拝まないと皆殺しにされる、世界を支配する獣が出て来ること
D災いの連鎖の第二弾として7人の天使が神の怒りの鉢を傾けること
 (災いの連鎖が2つあることから、神の怒りが大きいことがわかる。)
Eイエスの再臨、獣と戦い勝利し、神とイエスの支配する国が現れること
であり、この他に、最初の部分にイエスの7つの教会に宛てた手紙がある。

6-1 巻物の7つの封印を開く

黙示録は巻物に書かれてあり、巻物には7つの封印がされていた。 子羊がそれらの封印を解いた時、色々な幻が現れた。

(1) 第一の封印を開くと白い馬が出て来た
黙示録19:11〜16にも白い馬が出て来る。「この方の衣と腿のあたりには、 『王の王、主の主』という名が記されていた」とあるので、 黙示録 6:2 の白い馬は再臨のイエスを表す。
次に、黙示録 6:2 に書いてある弓、勝利、冠が何を意味するかを考える。
@
弓から放たれた矢は狙った的に正しく真っ直ぐに飛ぶ。それゆえ、弓を持つことは、 真実、正義で戦うことを意味すると思われる。
 黙示録19:11後半には、「すると、見よ、白い馬が現れた。それに乗っている方は、 『誠実』および『真実』と呼ばれて、正義をもって裁き、また戦われる」とあるので、 「弓を持つことは、真実、正義で戦うこと」という解釈が適切だと思われる。
A 最初の「勝利」と次の「勝利」
黙示録 5:11に「・・・ユダ族から出た獅子、ダビデのひこばえが勝利を得た・・・」 とあるので、黙示録 6:2 にある最初の「勝利」は、イエスが神からこの世に遣わされ、 私達の罪の購いのため死なれ、復活されたことを意味すると思われる。
次の「勝利」は、イエスが神からこの世に遣わされ、この世に再臨し、 獣と戦って勝利することを意味すると思われる。
B
冠とは非常に栄誉ある地位にあることを表す。イエスはマタイ28:18で 『わたしは天と地の一切の権能を授かっている。』と言った。 よって、黙示録 6:2 の冠はこれを意味していると思われる。

黙示録 6:2 には、「そして見ていると、見よ、白い馬が現れ、乗っている者は、 弓を持っていた。彼は冠を与えられ、勝利の上に更に勝利を得ようと出て行った」 とある。
この文章に、上で説明した弓、勝利、冠に対応する言葉を代入すると
「そして見ていると、見よ、白い馬(再臨のイエス)が現れ、
 乗っている者は、弓を持っていた(乗っている者は、真実、正義で戦う)。
 彼は冠を与えられ(彼は天と地の一切の権能を与えられ)、
 勝利の上に(私達の罪の購いのため死なれ、復活された上に)
 更に勝利を得ようと(この世に再臨し、獣と戦って勝利しようと)出て行った」
となる。

(2) 第二の封印を開くと赤い馬が出て来た
赤は戦火や流血を示すので、赤い馬は獣、つまり滅びの子を表す。
次に、黙示録 6:4 における個々の単語や句が何を示すかを考える。
@ 大きな剣
剣は人を殺す武器である。大きな剣は、獣の大きな戦力を指す。 黙示録 13:4後半に「だれが、この獣と肩を並べることができようか。 だれが、この獣と戦うことができようか」と書いてあり、 獣が大きな戦力を持っていることが判る。
A 地上から平和を奪い取る
これは多くの国々と戦うことを指す。
黙示録 13:7 に「獣は・・・あらゆる種族、民族、言葉の違う民、 国民を支配する権威が与えられた」と書いてあり、 獣が多くの国と戦うことが示されている。
B 殺し合いをさせる力が与えられた
これは獣に側につく人々とそうでない人々の間で戦いが起きることを指す。
黙示録 13:1 に「わたしはまた、一匹の獣が海の中から上って来るのを見た。 これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり・・・」とある。 また黙示録 17:12に「あなたが見た十本の角は、十人の王である」と書いてある。
これらから、獣の側につく国々があることが判る。
Aで見た通り、獣は多くの国と戦うことから、 獣の側につく国々とそうでない国々との間で戦いが起きることが判る。

黙示録 6:4 には 「すると、火のように赤い別の馬が現れた。その馬に乗っている者には、 地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。 また、この者には大きな剣が与えられた。」とある。
この文章を少し変形し、上で説明した個々の単語や句に対応する言葉を代入すると
「すると、火のように赤い別の馬(獣:滅びの子)が現れた。
 また、この者には大きな剣(大きな戦力)が与えられた。
 その馬に乗っている者(獣:滅びの子)には、
 地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。
 (獣の側につく国々とそうでない国々が敵対するため、 多くの国々と戦う力が与えられた)。」
となる。

(3) 第三の封印を開くと黒い馬が出て来た
白は汚れていない、ということから清らかさを示し、聖なる者を表すのに用いられる。 他方、黒は何色にも染まらない、ということから公平、中立を示すので、 これも聖なる者を表すのに用いられる。
よって黒い馬は、聖なる審判者を意味すると思われる。

黙示録 6:6 における個々の単語が何を示すかを考える。 イエスは、次に示すヨハネ福音書 4:34〜36で、信仰を食物に譬えている。
「イエスは言われた。『わたしの食べ物とは、わたしをお遣わしになった方の御心を行い、 その業を成し遂げることである。
あなたがたは、『刈り入れまでまだ四か月もある』と言っているではないか。 わたしは言っておく。目を上げて畑を見るがよい。 色づいて刈り入れを待っている。 既に、刈り入れる人は報酬を受け、永遠の命に至る実を集めている。 こうして、種を蒔く人も刈る人も、共に喜ぶのである。」

@ デナリオン
一デナリオンは当時の労働者の一日の報酬に相当し、 マタイ20章の譬え(ぶどう園の労働者に対する報酬)にある通り、永遠の命、 つまり一生の報酬を示す。
A コイニクス
一コイニクスは当時の一日分の穀物量に相当する。 上に示したヨハネ福音書 4:34〜36では、食物を信仰に譬えていたので、 一デナリオンの比喩の通り一日を一生に置き換えれば、 一コイニクスは人の一生涯における信仰を指す。
B 小麦と大麦
当時の穀物は小麦と大麦が主体であった。 そのため、色々な人々の信仰を譬えているものと思われる。
C オリーブ油とぶどう酒
「オリーブ油とぶどう酒とを損なうな」とある。オリーブ油は、油を注がれた人を指す。 福音書ではぶどう酒はイエスの血を意味する。黙示録 7:14後半に 「彼らは大きな苦難を通って来た者で、その衣を小羊の血で洗って白くしたのである。」 とあることから、ぶどう酒は証しのために迫害された人を指す。
D
秤は物の重さを計る道具であり、秤により物の重さを計り、 定められた換算基準により貨幣と交換した。
すると「小麦は一コイニクスで一デナリオン。大麦は三コイニクスで一デナリオン」とは 「小麦は一コイニクスで一デナリオンと交換する。 大麦は三コイニクスで一デナリオンと交換する」と解釈出来る。

黙示録 6:5後半〜6:6 には、 「・・・見よ、黒い馬が現れ、乗っている者は、手に秤を持っていた。 わたしは、四つの生き物の間から出る声のようなものが、こう言うのを聞いた。 『小麦は一コイニクスで一デナリオン。大麦は三コイニクスで一デナリオン。 オリーブ油とぶどう酒とを損なうな。』」とある。

この文章に、上で説明した個々の単語に対応する言葉を代入すると
「見よ、黒い馬(聖なる審判者)が現れ、
 乗っている者は、手に秤を持っていた(人々の信仰を裁こうとしていた)。
 わたしは、四つの生き物の間から出る声のようなものが、こう言うのを聞いた。
 『小麦は一コイニクスで一デナリオン。大麦は三コイニクスで一デナリオン。
 (神の園で働く種々の人々の、一生の信仰を判断して永遠の命を与えよ)
 オリーブ油とぶどう酒とを、損なうな。』
 (油を注がれた人や証しのために迫害された人は少ないが見落とすな)」
となる。

(4) 第四の封印を開くと青白い馬が出て来た
黙示録 6:8 には、「そして見ていると、見よ、青白い馬が現れ、 乗っている者の名は『死』といい、これに陰府が従っていた。 彼らには、地上の四分の一を支配し、剣と飢饉と死をもって、 更に地上の野獣で人を滅ぼす権威が与えられた。」とある。
 よって、青白い馬は災いの子を表す。
 黙示録には天使がラッパを鳴らすと、様々な災害が下されることが書いてある。 また、それ以外の災害も書かれてある。
様々な災害は「・・・の三分の一」と書かれた部分が多いが、 「大地震が起って、都の十分の一は倒れ・・・」と書かれた部分もあるので、 三分の一と十分の一の平均を指向し、三分の一より小さい四分の一にしたものと思われる。

(5) 第五の封印を開くと、証しをしたために殺された人々の霊が見えた
黙示録 6:9〜11 には、次の通り書いてある。
「小羊が第五の封印を開いたとき、神の言葉と自分たちがたてた証しのために 殺された人々の魂を、わたしは祭壇の下に見た。
彼らは大声でこう叫んだ。『真実で聖なる主よ、いつまで裁きを行わず、 地に住む者にわたしたちの血の復讐をなさらないのですか。』
すると、その一人一人に、白い衣が与えられ、 また、自分たちと同じように殺されようとしている兄弟であり、 仲間の僕である者たちの数が満ちるまで、 なお、しばらく静かに待つようにと告げられた。」

ここで
@ 黙示録 3:5には「勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる・・・」とある。
A 黙示録20:4後半には「わたしはまた、イエスの証しと神の言葉のために、 首をはねられた者たちの魂を見た。 この者たちは、あの獣もその像も拝まず、額や手に獣の刻印を受けなかった。 彼らは生き返って、キリストと共に千年の間統治した。」とある。
証しのため殺された人々は白い衣が与えられたことから、勝利者と認定されるが、 イエスが再臨して獣に勝利し、 悪魔を底なし淵に投げ入れ封印するまで待機するよう求められる、 つまり、聖徒たちの今一歩の忍耐と信仰が求められることが書いてある (その後、第一の復活があり、千年間の支配へと続いていく)。

(6) 第六の封印を開くと、次のことが起きた
・太陽は毛の粗い布地のように暗くなった。
・月は全体が血のようになった。
・いちじくの青い実が風に揺さぶられて落ちるように、天の星が地上に落ちた。
3番目の「いちじくの実が風に揺さぶられて落ちるように星が落ちた」は、 第一次大戦前に現れたハレー彗星を意味していると思われる。 この時すでに、彗星の尾には有毒なシアン化合物があることが明らかにされていた。 そのため、地球上の生物は全て死滅すると言ううわさが、全世界的に広まった。
 2番目の「月は全体が血のようになった」とは、 6-3 (2) で述べるファティマの預言の、第二で言われた第二次大戦前の 「ヨーロッパ全域で空に血のような赤いオーロラが出現した」を意味していると思われる。
 黙示録は、人間に与える影響の程度により、太陽、月、星の順番で書いたと思われる。 他方、それらが起きた順序は、影響の小さい方から、星の出来事、月の出来事であった。 すると、人間に一番影響する太陽の出来事は何であろうか。

このことは、ヨエル2:2に、次の通り書いてある。
「これは暗く、薄暗い日、雲の群がるまっくらな日である。 多くの強い民が暗やみのようにもろもろの山をおおう。 このようなことは昔からあったことがなく、 後の代々の年にも再び起ることがないであろう。」

第六の封印を開いた時に現れた幻は、黙示録の出来事が開始すると、 大きな天変地異が起きることを示している。

今まで述べた、封印を開いた時に現れる幻を以下にまとめてみる。
封印 現れる幻 意味するもの    備  考
第一 白い馬 再臨のイエス 最後の戦いで勝利
第二 赤い馬 獣(滅びの子) 最後の戦いで敗北
第三 黒い馬 聖なる審判者 最後の出来事
第四 青白い馬 災いの子 それ以前の出来事
第五 霊魂 聖徒 忍耐と信仰が求められること
第六 天体と地 天変地異 驚きと恐怖を与えること

こうして見ると、
@これらは黙示録の時代、何が起きるかを前もって示している
A光と闇、あるいは天使と悪魔と言うように、 聖なる者とそうでないものとを対比させる構成を採っている
と言える。
そのため、第一〜第六の封印を開いた時に現れる幻は、 黙示録のいわば要約を示しているのではないかと考えられる。

(7) 第七の封印を開くと天に半時間ばかり静けさがあった
しばらく時間があり、その後、天使がラッパを鳴らす準備をしたと思われる。

6-2 天使がラッパを鳴らす

(1) 第一の天使がラッパを鳴らすと、血の混じった雹と火が現れ、地上に降って来た。 すると地と木の三分の一が焼け、青草も焼けてしまった。
1970年代初頭、アマゾン他の熱帯雨林各地で始まった開発は、
・ちょうど、鋭い雹が人に落ちて来て傷付き、その後に血が吹き出て広がるように
・あるいは緑の地に火が落ち、それが燃え広がるように
広まり、相当大きな面積の森林や青草が伐採されたり、焼かれた。 この状況は現在も続いている。
 第一のラッパは、このことを意味していると思われる。

(2) 第二の天使がラッパを鳴らすと、燃えている大きな山のようなもの (発熱する大きな塊と思われる)が海に投げ込まれた。 海の三分の一が血になり、海の生物の三分の一は死に、船の三分の一は壊された。
 ペルー沿岸は世界有数の漁場として知られ、1970年は漁獲高が1200万tを超えていた。 その後、1983年までの間に3回 高温海域が現れ、 海水温度が1年内外高くなった。エルニーニョ現象である。 栄養豊富な冷水の湧き出しが減り、プランクトンの量が減り、 小さな魚の成長が困難となり、多くの魚が死んだ。 1970年以降、漁獲高は急激に減少し、1983年はピーク時の 1/7以下になった。 不漁が7年以上続いたため、特に零細漁民の船が捨てられたと思われる。
 このように、ペルー沖では魚の大量死と船の大量破棄が起き、血の海域となった。 エルニーニョ現象は、その後も度々起き、世界的に漁獲高が減少している。 第二のラッパは、このことを意味していると思われる。

(3) 第三の天使がラッパを鳴らすと、松明のように燃えている星が、天から落ちて来て、 川の三分の一と、その水源に落ちた。水の三分の一が苦くなり、多くの人が死んだ。 この星の名を「苦よもぎ」という。
 1986年、チェルノブイリで世界最悪の原子力発電所事故が起きた。この時、 アメリカの軍事衛星は核の火で赤く燃える原子炉中心部の様子を観察したと言われる。 爆発時、炉心部の放射性物質が大量に空中に放出され、 水源のみならず広域が放射能汚染した。 その後、特にチェルノブイリ周辺に住んでいる幼児・小児等で甲状腺癌が多発した。
 「苦よもぎ」のことをロシア語でチェルノブイリという。 第三のラッパは、このことを意味していると思われる。

(4) 第四の天使がラッパを鳴らすと、太陽、月、星の三分の一が損なわれ、 昼も夜も光の三分の一を失った。
 1980年代、インドネシア等で組織的な焼畑が急激に増え、 周辺国で6〜10月にヘイズ(煙害)が発生し、視界が悪くなったり、 空がどんよりすることがしばしば発生した。
 1997年には、ヘイズはシンガポール・マレーシア・フィリピン・タイにまで及び、 視界不良による航空機墜落、船舶衝突事故が発生し、死傷者が出た。 気象研究所が、航空機によりインドネシアの上空でエアロゾル (大気中に浮遊する微小な粒子)を観測したところ、 1cc当りのエアロゾルの量がオーストラリア上空と比べて約100倍あった。 エアロゾルが増加すると、大気透過率が低下し、直達日射量が少なくなる。
 湾岸戦争でイラクが油田に火を点け、煙で空が暗くなることが起きた。 空が暗くなる度合いは、それより少ないが、 それより遥かに広範囲で毎年のように視界が悪くなることが起きた。 ヘイズにより太陽・月・星の光が損なわれたので、 第四のラッパはこのことを意味していると思われる。

(5) 第五の天使がラッパを鳴らすと、一つの星が天から落ちてきた。 この星が底なしの淵を開くと、いなごが出て来た。このいなごは草木を食べず (従って昆虫としてのいなごではなく、大発生したいなごが畑を襲うように、 何か小さいものが大発生して人々を襲うという意味であると思われる)、 額に神の刻印がない人を襲い、殺さず、五か月間、苦しめる力が与えられた。 いなごは底なしの淵の使いを王としていた。
 1981年アメリカの同性愛男性から始めて AIDS が発見されたが、 1990年には HIV/AIDS 感染者は約1,000万人まで増加した。 AIDS 発見当初は発病した場合、余命が1年以下の人がほとんどで、 大部分は数ヶ月(5ヶ月)以下であった。また、HIV 自身は人を殺さず (免疫力を弱らせ)苦しませ、発病した者は他の感染症で死んでいった。

黙示録9:7〜10 にあるいなごの姿の主な部分を抜き出すと、
・顔は人間の顔のようであった
・髪は女の髪のようであった
・胸には・・・胸当てのようなものを着けていた
・さそりのように、尾と針があり、この尾に人に害を加える力があった
これらは、いなごが人に寄生し、他の人がその人と性的関係を持つと毒を注入する (自分達の一部がその人の中に入って行く)ことを擬人的に描いていると思われる。
この他の記述に、
1) 頭には金の冠に似たものを着けていた
2) 出陣の用意を整えた馬に似ていた
3) その羽の音は、多くの馬に引かれて戦場に急ぐ戦車の響きのようであった
4) 歯は獅子の歯のようであった
がある。
1)は、イエスの時代から見ると、 まるで王妃や王女のように豊かな暮らしをしていることを意味していると思われる。
2)、3)は、いなごが相手を力強く攻撃しようとしている (いなごが寄生している人が、他の人を積極的に性的に誘惑しようとしている) 状態を意味していると思われる。
4)は、獲物(好みの人)が近づくと、 その人に食らいついて離さないことを意味していると思われる。

ヨエル書1章に次の言葉がある。「・・・あなたたちの時代に、また、先祖の時代にも このようなことがあっただろうか。かみ食らういなごの残したものを 移住するいなごが食らい 移住するいなごの残したものを 若いいなごが食らい 若いいなごの残したものを 食い荒らすいなごが食らった。」
 色々な種類のいなごがいるが、神はいなごの DNA を変化しやすくしたのだろうか。 (HIV の RNA の変異速度は非常に速く、HIV に有効な薬を用いても、 すぐにその耐性を持つ HIV が登場する。現在、薬を複数組合せて使用して、 HIV の増殖を抑えているが、HIV を体内から完全に排除することは困難である)。

ここで
黙示録9:1に「・・・一つの星が天から地上へ落ちて来るのが見えた。 この星に、底なしの淵に通じる穴を開く鍵が与えられ」とある。
黙示録20:1に「わたしはまた、一人の天使が、底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして、 天から降って来るのを見た。」とある。
黙示録1:20に「・・・七つの星は七つの教会の天使たち・・・」とあることから、 黙示録9:1では天使を星に例えて語っていると思われる。 それゆえ、性的に乱れた世を罰するために天使が遣わされ、 その天使の働きにより、HIV は地上に出現したと思われる。

ヨエル書1章には、いなごの襲来の次に、神のたてた国がある民に襲われ、 田畑が略奪され、荒らされる旨が記述されている。1:15には、 「ああ、恐るべき日よ 主の日が近づく。全能者による破滅の日が来る。」とある。
 第五の天使がラッパを鳴らした後に出て来たいなごは、 底なしの淵の使いを王としていたが、その王の名をアバドン(破壊者)という。

繰り返しになるが、 黙示録には、人々の偶像礼拝(神への不信仰)と不品行 (性の乱れも含む)、それに対する神の激しい怒りが随所に述べられている。

(6) 第六の天使がラッパを鳴らすと「ユーフラテス(主に現在のイラクを流れている川) のほとりにつながれている四人の天使を放してやれ」という声があった。 解き放たれた天使の騎兵の数は二億で、馬の口からは火と煙と硫黄とを吐いており、 この三つの災いで人間の三分の一が殺された。 馬の力は口と尾にあり、尾は蛇に似て頭があり、この頭で害を加えるのである。
 近代兵器が登場する前、馬は兵力であった。現代の言葉で言えば、兵器に相当する。 火と煙を吐くと言えば、拳銃や鉄砲などの小火器を指し、硫黄が火山を暗示することから、 硫黄を吐くと言えば大砲などの重火器を指すと思われる。 ミサイルの姿は蛇に似ており、頭に火薬があり、この頭で人に害を加える。 すなわち、馬の口は鉄砲や大砲などを指し、馬の尾はミサイルを指すと思われる。
 1980年、イラン・イラク戦争が始まり、それが終わった頃の1990年、 イラクがクウェートに侵入して、湾岸戦争が始まった。 これらの戦争では、鉄砲や大砲、ミサイルが用いられ、 被害者は戦死者だけで100万人以上と言われる。 第六のラッパは、これらの戦争を意味していると思われる。

(7) 第七の天使がラッパを鳴らすと、天にさまざまな大声があり、 「この世の国は、我らの主と、そのメシアのものとなった。 主は世々限りなく統治される」ということが言われると預言されている。

6-3 太陽をまとった女

(1) それはマリアを指す
黙示録12:1に「・・・一人の女が身に太陽をまとい、 月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた」という記述がある。
黙示録12:5に「女は男の子を産んだ。この子は、 鉄の杖ですべての国民を治めることになっていた。 子は神のもとへ、その玉座へ引き上げられた。」とあり、 黙示録19:15〜16には「この方・・・自ら鉄の杖で彼らを治める。 ・・・この方の衣と腿のあたりには、『王の王、主の主』という名が記されていた。」 とあることから、男の子はイエスを指し、男の子を産んだ女は、 イエスの母マリアを指すと思われる。

イエスはサドカイ派の人々との論争で「あなたたちは聖書も神の力も知らないから、 思い違いをしている。復活の時には、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ。 死者の復活については、神があなたたちに言われた言葉を読んだことがないのか。 『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあるではないか。 神は死んだ者の神ではなく、生きている者(復活した者)の神なのだ。」(マタイ22:29〜32) と言った。
 また、イエスがペトロ、ヤコブとヨハネだけを連れて高い山に登られた時、 イエスの姿が変わり、モーセとエリヤが現れて、イエスと語り合った(マタイ17:1〜3)。 ここで現れたモーセは、死んだ後に復活し、天使のようになっていると言える。 (エリヤは生きている間に天に上げられた。)

創世記第1章には「太陽に昼を治めさせ、月に夜を治めさせた」旨の記述があるので、 太陽は昼を示し、月は夜を示すと言える。 それを発展させ、黙示録12:1では、月は夜、つまり人の眠りを示すため「死」を暗示し、 太陽は昼、つまり人の活動を示すため「生」を暗示すると思われる。すると 「身に太陽をまとい、月を足の下にし」とは、太陽(命)を与えられ、月(死) に打勝った、と解釈出来る。 また先に述べた通り、星は天使を示し、「十二の星の冠」は、 イエスの弟子と同様にイエスの働きを補佐する栄誉を授けられた、と解釈出来る。
 それゆえイエスの母マリアは、死後、神の大きな恵みにより永遠の命を与えられ、 天使と同じようになり、またイエスの働きを補佐する働きを与えられ、 「大きなしるし」として、時に人々の前に現れ、神とイエスの言葉を伝えている。

このように、マリア出現は聖書に預言されている。 マリア出現という大きなしるしを否定してはならない。

(2) ファティマでの預言
宗教改革の400年後の1917年(ロシア革命が起きた年でもある)、 ヨーロッパ大陸の一番西のポルトガルのファティマに、 イエスの母マリアの姿をした天使が毎月1回、計6回現れ、少女らに重要な預言を告げた。 最後の出現となった10月13日は、地元の人々だけでなく、ヨーロッパの主要な国の新聞記者、 科学者も集まり、イエスの母マリアの姿をした天使の行った奇跡を見た。 その様子は新聞で大きく報道された。
バチカンはこの出来事を長い時間かけて調査し、1930年、本物の神の奇跡だと認定した。
@ 預言の第一は、まもなく第一次大戦が終わること、である。 実際、第一次大戦は翌年の1918年に終わった。
A 預言の第二は
・人々が神に背くのを止めないとピオ11世の在位中(〜1939)にもっと酷い戦争が始まる
・その時、人々は夜空に不思議な光を見る
・ロシアを回心させないと、神は世界を罰するためにロシアを用い、多くの国は滅ぼされる
である。
実際ナチス・ドイツは世界征服の野望を持ち、1938年オーストラリアを併合、 1939年3月チェコスロバキアを占領、9月にはポーランドに侵攻した。 また、その少し前、1939年1月25〜26日の夜、 ヨーロッパ全域で空に血のような赤いオーロラが出現した。
 ロシアは、1917年のロシア革命以降、国力を増大し、軍事大国になり、周辺の国々を征服し、 共産化を進めた。
 「神は世界を罰するためにロシアを用いる」という預言を聞くと、 バビロン捕囚前、エレミヤが神から「何が見えるか」と問いかけられ、 「煮えたぎる鍋が見えます。北からこちらへ傾いています」 と答えたのを思い出す人も多いと思う。
B 預言の第三は
・悪魔により多くの司祭と修道者達が堕落する
・全人類の大半を数分のうちに滅ぼす程の威力をもつ武器が作り出される
・教皇殺害の幻
である。
「全人類の大半を数分のうちに滅ぼす程の威力をもつ武器が作り出される」とあるが、 実際第二次大戦で核兵器が使われ、 その後、世界の大国が全人類を滅ぼす数以上の核兵器を保有している。
C 預言の第三の、教皇殺害の幻は次の通りである。
「・・・それからわたしたちには、計り知れない光―それは神です―の中に、 『何か鏡の前を人が通り過ぎるときにその鏡に映って見えるような感じで』 白い衣をまとった一人の司教が見えました。『それは教皇だという感じでした』。 そのほかに幾人もの司教と司祭、修道士と修道女が、険しい山を登っていました。 その頂上には、樹皮のついたコルクの木のような粗末な丸太の大十字架が立っていました。
 教皇は、そこに到着なさる前に、半ば廃墟と化した大きな町を、 苦痛と悲しみにあえぎながら震える足取りでお通りになり、 通りすがりに出会う死者の魂の為に祈っておられました。 それから教皇は山の頂上に到着し、大十字架のもとにひざまづいてひれ伏されたとき、 一団の兵士達によって殺されました。 彼らは教皇に向かって何発もの銃弾を発射し、矢を放ちました・・・」
(「ファティマ 第三の秘密」教皇庁教理省 カトリック中央協議会より)

厳しい山の頂上にある十字架はイエスを示すと思われる。
バビロン捕囚の時、神は預言に耳を傾けないユダヤに対して怒り、 バビロンにエルサレムを攻略させた。 従って、半ば廃墟と化した大きな町は、バチカンを示すと思われる。
 すると、上の文章は次のように解釈出来る。
「教皇がマリアの預言に耳を傾け、ロシアが回心するように努力しないと、 ロシアがついにバチカンまで破壊するだろう。その時になって、教皇は自分の誤りに気付き、 イエスに懺悔しようと思い、十字架の元に行こうとする。 十字架の元に行き、ひれ伏そうとした時、一団の兵士達により殺されるだろう。」

マタイ 24:15に「預言者ダニエルの言った憎むべき破壊者が、聖なる場所に立つのを見たら ・・・」とある。
ロシアがバチカンを破壊する時、この預言が成就する。

6-4 世界を支配する獣

黙示録13:1には、「一匹の獣が海の中から上って来るのを見た」とある。
(1) 獣(の像)とはロシア(あるいは共産主義)を示す
エゼキエルの預言と黙示録との比較、及びマリアの預言と黙示録との比較から、 黙示録の獣はロシアであることが判る。
@ エゼキエルの預言と黙示録との比較
エゼキエル38〜39章には、終わりの時にゴグ(現在のロシア)がイスラエルを攻撃し、 敗北する旨が記述されている。そこで、エゼキエル書と黙示録の記述を比較してみる。

黙示録16〜21章 エゼキエル38〜43章
箇所 書かれている内容 箇所 書かれている内容
16:12〜16 竜、獣、偽預言者から悪霊が出て全世界の王たちをハルマゲドンに集める
ハルマゲドンはイスラエルの中のメギドの丘であると言われている
38:1〜17 終わりの時に、ゴグは、 国々から導き出された人々が住んでいるイスラエルを攻める
(神がゴグの顎に鍵をかけて引き出すと預言されている)
ペルシャ、エチオピヤ、シリア他がゴグと共にいる
19:11〜21 再臨のイエスが現れ、集まっている獣と王たちと戦い、勝つ。
獣と偽預言者は捕らえられ火の池に投げ込まれ、残りの者は鳥に食われる
38:18〜23
39:1〜8
ゴグがイスラエルを攻める時、神はゴグを裁く。
神は、ゴグの手から武器を落とさせ、猛禽と野獣に食わせる。
神は、聖なる者であることをイスラエルの人々に知らせる。
    39:22〜29 イスラエルの人々は、神が聖なる者であることを悟る。
諸国民は、イスラエルの人々が、
a) 悪のため捕らえ移されたこと
b) 諸国民から帰らせられたこと
により、神が聖者であることを知らされる。
20:1〜3 悪魔が底なしの淵に投げ込まれる    
20:4〜6 殺された聖徒たちが復活し、イエスと共に千年間統治する 40:1〜42:20 新しい神殿の記述
20:7〜10 悪魔が解放され、ゴグを惑わし聖徒たちに戦いを挑むが負ける
20:11〜15 命の書に基づき、審判が行われる
21:1〜8 新しいエルサレムが天から下ってくる
21:22〜23 都には神殿がない。神、イエスが都の神殿である

エゼキエル38〜42章を黙示録16〜21章と比較すると、 千年期を過ぎた後は新しいエルサレムが天から降りてきて神殿が無いことから、 エゼキエル40〜42章の預言は、千年期中の神殿を指す。
するとエゼキエル38〜39章のゴグは、千年期前にイスラエル(ハルマゲドン) を攻めるので、黙示録の獣であることが判る。
(よって、ゴグは最初は獣として、次は黙示録20:7〜10の悪魔に惑わされた諸国民として、 イスラエルを攻めることになる)

A マリアの預言と黙示録との比較
黙示録13:7後半には「・・・また、あらゆる種族、民族、言葉の違う民、 国民を支配する権威が与えられた」とある。 また、黙示録13:10に、ある人々は殺され、ある人々は捕らえられる旨が書かれてある。
 他方ファティマの預言の第三に「神は世界(あらゆる種族、民族、言葉の違う民、国民) を罰するために(ユダヤを攻め、捕囚を行い、ユダヤを支配したバビロンと同様) ロシアを用い、多くの国は滅ぼされる」とある。
 よって獣とはロシアを示すと思われる。
 なお、ファティマで預言があった同じ年にロシアで革命が起き、 11月にはロシア共産党が武力蜂起して実権を握っている (ファティマでイエスの母マリアの姿をした天使が 「神は世界を罰するためにロシアを用いる」と語ったのは7月である)。

以上@とAで示した通り、 エゼキエルの預言と黙示録との比較、及びマリアの預言と黙示録との比較から、 黙示録の獣はロシアであることが判る。

B 獣の像(獣の複写)とは、共産主義を示すと思われる
黙示録13:14〜15には、
先の獣の像を造るように、地上に住む人に命じた
獣の像を拝もうとしない者(従わない者)があれば、皆殺しにさせた
とある。ここで
a) ロシアは1928年より5ヵ年計画を実施した。重化学工業を重視し、 コルホーズ建設による農業集団化を行ったが、これに反対する農民を富農、 ないし富農支持者として処刑したり、シベリアに強制移住させた。 その数は数百万人と言われる。
b) スターリンは共産党員として不適切な人間を除名すると称して大粛清を行ったが、 1937年から1938年までの死亡者(反革命罪で裁かれた者に限る) は約140万人と言われている。
c) カンボジアの共産革命の後、クメール・ルージュは共産主義を推し進め、 都市住民を地方の集団農場へ強制移住させ、工場・病院・学校を閉鎖、貨幣を廃止、 宗教を禁止した。反対者は捕えられ殺された。その数は約140万人と言われている。
d) サイゴン陥落後より、共産主義による迫害を恐れる人々や、 共産主義を嫌う人々がボートピープルになり、ベトナムを脱出した。 カンボジア・ラオスからもボートピープルが発生し、また陸路で逃げた人々もいた。 これらの人々をインドシナ難民と言い、約140万人にも達する。
このように、共産主義を広めるのに反対の人(獣の像を造らなかった人)や、 共産主義に従順でなかった人(獣の像を拝まなかった人)は、皆殺された。

(2) すべての者にその右手か額に刻印を押させた
申命記6:1〜8には
「これは、あなたたちの神、主があなたたちに教えよと命じられた戒めと掟と法であり、 あなたたちが渡って行って得る土地で行うべきもの。
・・・今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め、・・・
更に、これをしるし(印)として自分の手に結び、覚えとして額に付け、・・・」
とある。

黙示録13:16〜17には
・すべての者にその右手か額に刻印を押させた
・この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることも出来ないようになった
とある。黙示録では、刻印は獣の規則を、右手は働きを、額は思考を示すと思われる。
つまり、刻印(=獣の規則)に沿って考え、働かなければ、 物の売買が出来ないことを示していると思われる。

(3) 獣の数字:666の意味
人と獣と竜について、必要な部分を抜き出すと、
・数字は人間を指している。(黙示録13:18)
・この刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。(黙示録13:17)
・竜はこの獣に、自分の力と王座と大きな権威とを与えた。(黙示録13:2)
となる。

人は天地創造の時、6日目に造られたものであり、罪を犯す存在である。 「天地創造の時から、屠られた小羊の命の書にその名が記されていない者たちは皆、 この獣を拝むであろう。」(黙示録13:8)とあるように、666の刻印を押された人は、 偶像礼拝をする。よって、666の一桁目の6は人を指すと思われる。
 人は一人では出来ないことを組織で実行しようとする。 それゆえ、組織は人(6)より一回り大きい存在となる。 よって、666の二桁目の60は間違いを犯す組織(獣)を指すと思われる。
 国の繁栄・衰退は一国の力ではどうにもならない。 人の力を超えた存在により動かされる。間違いを犯す竜(悪魔)は、その力を持っている。 よって666の三桁目の600は、獣(60)より一回り大きい存在である竜(悪魔) を指すと思われる。

つまり、666は、悪魔─悪魔が支配する帝国─悪魔に仕える人 を指していると思われる。 「獣の規則」に従って考え、働くということは、獣に仕えること、 つまり、悪魔が支配する帝国に仕えることであり、 結局は悪魔の意図に従うことから、悪魔に仕える人になる。 黙示録13:16〜18は、そのことを預言している。 これが、人々の不信仰に対する、神の罰である。

(4) もう一匹の獣
黙示録13章には、もう1匹の獣が出てくる。この獣の特徴を抜き出すと、
・小羊の角に似た二本の角があって、竜のようにものを言っていた
・先の獣が持っていたすべての権力をその獣の前で振るい、 大きなしるしを行って、人々の前で天から地上へ火を降らせた
共産主義では、無神論と唯物論をかかげ、神の存在を否定する。 そして、共産党は体制を「絶対的存在、間違いを犯さない存在」とし、 国内の資源を優先的に科学技術に割り当て、体制の成功を大々的に宣伝していく。
 それゆえ、もう一匹の獣は共産党を指すと思われる。
 また「大きなしるしを行って、人々の前で天から地上へ火を降らせた (不思議な業を行い、人々を信用させた)。」とは、 優先的に割り当てられた資源により科学技術を発展させ、今迄にない業を行い、 体制を成功させ、その成功を大々的に宣伝することを示していると思われる。

(5) 獣の活動
ファティマの預言の第三は、イエスの母マリアの姿をした天使から、 1960年になるまで秘密にするよう言われた。
けれども、バチカンは預言の第三の内容を恐れ、 2000年になるまで公開しなかった。現在も一部しか公開していない。
神は人々に世の終わりが近づいているのを知らせるために、 恵みにより、獣の活動を混乱させているものと思われる。
獣の活動の混乱状況は、概略次の通りである。

a) 質よりも量を重視する政策がとられ、 そのため劣悪な消費財と質の低いサービスしか提供されなかった。
b) 統制が重視されたため、コンピュータは軍需部門等しか導入されず、 情報技術はほとんど浸透しなかった。
c) 制度に多くの問題点が生じたが、党内部ではノルマ達成を重視したため、 虚偽報告が横行し、さらに問題点があっても言論を封殺したため、改革も大幅に遅れた。
d) これらにより、西側との格差が拡大し、ついに東西の壁が破られていき、 旧ソ連が崩壊した。
e) 現在、西側の技術を取入れ、経済回復を図っているが、まだ途中の段階である。
f) そのため、再び共産革命を広めるまで、 すなわち神が世界を罰するために本格的にロシアを用いるまで、 もうしばらくは時間があると思われる。

繰り返しになるが、バビロン捕囚の時、神は預言に耳を傾けないユダヤに対して怒り、 バビロンにエルサレムを攻略させた。
 ファティマの預言の時、神は、バチカンが尊重するだろうと思う人(イエスの母マリア) を選び、この世に送り、しるしを行わせ、神の言葉を伝えさせた。 バチカンが、神の使いの言うことを聞いて、ロシアが回心するように努力しないと、 また、神の使いの言ったことを歪曲せず人々に伝えないと、 「6-3 太陽をまとった女」 (2)ファティマでの預言 で語られている通り、 ロシアがバチカンを破壊し、教皇を殺すだろう。

6-5 天使が怒りの鉢を傾ける

獣が世界を支配した後、7人の天使が神の激しい怒りの満ちた鉢を傾け、 地上に災いの連鎖が起きる。(黙示録16章)
@ 第一の天使が鉢の中身を地上に注ぐと、獣の刻印を持つ人々や獣の像を礼拝する人々に 悪性のはれ物が出来ると預言されている。
恐らく未知のウィルス性の病気が流行して、獣の刻印を持つ人々や獣の像を礼拝する人々に 悪性のはれ物が出来ると思われる。

A 第二の天使が鉢の中身を海に注ぐと、海は死人の血のようになり、 海の生き物は全て死ぬと預言されている。
現在、天然魚の漁獲高が大きく減少しているが、エルニーニョ現象等の影響により、 ある時点を境に魚がほとんど捕れなくなる、あるいは全く捕れなくなると思われる。

B 第三の天使が鉢の中身を川と水源に注ぐと、水は血になると預言されている。
これは、第四の天使が鉢の中身を太陽に注いだ後に起きると思われる。 広い範囲に放射性物質が撒き散らされ、水源や川が放射能汚染されると思われる。
 ファティマの預言の第三の一つに「・・・大いなる戦争が起きる。 その災難により、地上の多くのものが破壊され、無数の人が滅びる。 生き残った人は、死者をねたむほどの災難に襲われる。」がある。 死者をねたむほどの災難の一つが、放射能汚染だと思われる。

C 第四の天使が鉢の中身を太陽に注ぐと、 太陽は人間を火で焼くことを許されると預言されている。
「6-3 太陽をまとった女」 (2)ファティマでの預言 で述べた通り、預言の第三の一つに 「全人類の大半を数分のうちに滅ぼすほどの威力をもつ武器が作り出される」 があり、これは太陽のように高熱を発する核兵器と解釈出来る。 このことから、この預言は、獣の国がついに核兵器を使い、 多くの人が一瞬のうちに灼熱で殺されることを意味すると思われる。

D 第五の天使が鉢の中身を獣の王座に注ぐと、獣が支配する国は闇に覆われ、 人々は苦しみもだえて舌を噛むと預言されている。
獣が支配する国の石油関係施設で、 チェルノブイリ原子力発電所事故のような大きな事故があり、 空が煙で覆われ、悪臭その他で人々が苦しみもだえると思われる。

E 第六の天使が鉢の中身をユーフラテス川に注ぐと、川の水がかれて、 日の出る方角から来る王たちの道が出来、悪霊どもの霊が「ハルマゲドン」 と呼ばれる所に、王たちを集めると預言されている。
 石油鉱業連盟の資料によれば、 原油の可採年数は1985年から2006年までの間、約40年で安定的に推移している。 原油の生産量は平均して年約2%増えている。 原油の生産量≒原油の消費量と仮定すれば、この20年間、 全世界で消費した原油の合計量は、サウジアラビアの2005年の埋蔵量の約2倍である。 他方、原油埋蔵量はこの20年で約1.6倍に増えている。

一般に埋蔵量が増加する要因として、次のことが考えられる。
新しい油田の発見・開発
原油価格の増加や技術的に優れた採掘方法の開発等により、 経済的に採掘可能な原油が増えた

けれども原油埋蔵量が急激に増えた時期は1986〜1989年であり、この時、
a) 第二次オイルショック後の先進国の対処により原油価格が下がっていた
b) また、旧ソ連がドルを稼ぐため、原油を西側に積極的に輸出していた
c) 当時、イラン・イラク戦争最中で、他の中東諸国はイランのイスラム革命輸出を恐れ、 イラクに積極的に資金援助をしていた

原油埋蔵量が増えれば、外国からの借款を得るのに都合が良い。 油田を技術的に再調査し、採掘出来る可能性を見直して、 原油埋蔵量を増加させたならば納得がいく。 けれども、この時期、大きな技術革新や大油田の発見もないのに、中東産油国合計で、 サウジアラビアの埋蔵量に相当する量が急に増えたとすると、 状況から、その数の出所に疑問が出て来る。

「第六の天使が鉢の中身をユーフラテス川に注ぐと、川の水がかれる」とは、 Dの獣が支配する国の石油関係施設で大きな事故があった後に、原油が枯渇する、すなわち、 原油の埋蔵量がほとんど0に近いことが判明することを意味していると思われる。
「日の出る方角から来る王たちの道が出来、 悪霊どもの霊が『ハルマゲドン』と呼ばれる所に、王たちを集める」とは、 悪霊が、イスラエルからみて東に位置する王たちに、 原油がなくなる前に出来るだけ確保しておいた方が良いと囁き、 王たちを中東に集めることを意味しているのではないか。

ハルマゲドンとはイスラエルのメギドを指す。メギドは、古代、度々大きな戦場となった。 原油が枯渇しかけた時、中東の原油をめぐり、大きな争奪戦になると思われる。

原油を用いている産業の多くは、技術的には埋蔵量の多い天然ガスに転換可能と言われる。 けれども、原油の枯渇が急に目の前に出て来て、かつ悪霊に騙された結果、 王たちは原油がなくなる前に出来るだけ確保しておいた方が良いと思い、 中東に集まると思われる。

F 第七の天使が鉢の中身を空中に注ぐと、未だかつて無いほどの大地震が起き、 大きな都が三つに裂かれると預言されている。

6-6 大淫婦バビロンへの裁き

黙示録17〜18章に、大淫婦バビロンへの裁きが述べられている。 黙示録におけるバビロンは、どの国、ないしどの都を譬えて語っているのだろうか。

@ バビロンは昔、神の都エルサレムを攻撃し、破壊した国である。
しかしバビロン以外にエルサレムを攻撃し、破壊した国がある。

A 「大バビロン、みだらな女たちや、地上の忌まわしい者たちの母」と表現されている。
神はエレミヤ書3:8で 「背信の女イスラエルが姦淫したのを見て、わたしは彼女を離別し、離縁状を渡した。 しかし、裏切りの女であるその姉妹ユダは恐れるどころか、その淫行を続けた。」 と語っている。
 バチカンが、神の選んだ使いの言うことを聞かないということは、 淫行を行うことである。

B 「預言者たちと聖なる者たちの血、地上で殺されたすべての者の血が、 この都で流されたからである。」と表現されている。
ローマは、ペトロが宣教し、殉教した地であり、またペトロはイエスから 「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。」(マタイ16:18)」 と言われた。現在のバチカンはペトロが殉教した地に建てられた。
昔のエルサレム=その後のローマ(バチカン) と考えれば、この言葉の通りである。

C 「あなたが見た水、あの淫婦が座っている所は、さまざまの民族、群衆、国民、 言葉の違う民である。」と表現されている。
バチカンは全世界(さまざまの民族、群衆、国民、言葉の違う民) のカトリック教徒の中心地である。

D 「女は紫と赤の衣を着て、金と宝石と真珠で身を飾り」と表現されている。
ローマはイタリアの首都で、最も人口が多い都市である。

イエスの母マリアの姿をした天使は
「ロシアを回心させないと、神は世界を罰するためにロシアを用い、 多くの国は滅ぼされる」
と言った。けれども、バチカンが、ロシアを回心させなさいと言う、 イエスの母マリアの姿をした天使の言葉を無視し続けながら、 「わたしはペトロの座にいる」と思うのならば、
a) 黙示録18:7に書いてある言葉が成就する。
すなわち、「彼女(バビロン)は心の中でこう言っているからである。 『わたしは、女王の座に着いており、やもめなどではない。 決して悲しい目に遭いはしない。』」
b) また、黙示録18:5に書いてある言葉が成就する。
「彼女の罪は積み重なって天にまで届き、神はその不義を覚えておられるからである。」

バチカンが、神が遣わした人の言葉を無視し続ければ、淫行を行うことであり、 黙示録の言う大淫婦バビロンになる。

黙示録17:6に「また、あなたが見た十本の角とあの獣は、この淫婦を憎み、 身に着けた物をはぎ取って裸にし、その肉を食い、火で焼き尽くすであろう。」 と書いてある。
「6-3 太陽をまとった女」 (2)ファティマでの預言 の中に 「半ば廃墟と化した大きな町」があるが、これはバチカンを指す。

6-7 イエスの再臨

黙示録19:11以下には、おおよそ次のことが預言されている。
@ 「王の王、主の主」という名の方が白い馬に乗って現れること
A 獣と地上の王たちとその軍勢が、白い馬に乗っている方とその軍勢と戦うために集まること
B 獣と、獣の前でしるしを行った偽預言者(もう一匹の獣)が一緒に捕らえられ、 生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれること
C 残りの者は白い馬に乗っている方の口から出ている剣で殺されること
D 悪魔が捕らえられ、1,000年間底なしの淵に閉じ込められること
E 証しをしたため殺された人が生き返り、1,000年間キリストと共に支配すること
F その後、命の書に名が記されていない者は、火の池に投げ込まれること
G 新しい天、地、エルサレム、民、聖所、光、命の水の川が造られること
H 神とイエスの支配する国が現れること

6-8 私達のすべきこと

現在は、黙示録で預言された中の、第六のラッパが鳴り終わった後であると思われる。 この後、神が世界を罰するため選んだロシアの勢いが再び上向きとなり、 黙示録で預言されたことが順次起きていくと思われる。
 私達は今何をすべきだろうか。黙示録の最初の部分に注目したい。 なぜこの世の終わりを預言する文書に、イエスの7つの教会に宛てた手紙があるのだろうか。 それは直接的には当時の教会に宛てた手紙であるが、 それと同時に、終末の時代を迎える教会への忠告として、書いてあるのではないか。すなわち、

(1) 「あなたに言うべきことがある。あなたは初めのころの愛から離れてしまった」 というメッセージ
あなたは受洗(信仰告白)を決意した時の気持ちを今も持ち続けているだろうか。 もし持ち続けていないなら、その時の気持ちを今も持つことが必要である。
 また皮相的な知識人に影響されて、創世記の最初の部分は神話であると思い、 心から「神は天地を創造された」とは言えない気持ちではないか。
 けれども、
@ 「3 出エジプトの時代」「4 ヨナの時代」で示した通り、 神のなされた奇跡が他の考古学的資料から裏付けられる
A 「5 イエスの時代」で示した通り、イエスの復活が真実であるので、 イエスの行った奇跡が真実であり、 神がその力の一部をイエスに与えたのが真実であること、 それはまた神が大きな力を振るい、天地創造されたのが真実であることを意味する
B それらより、神の業を記述した創世記が大部分間違っていないと思われる
C 他方、進化論も大部分間違っていないと思われる
そのため、両者を結びつけて考えていくことが真理を求める姿ではないだろうか。 神は私達に「天地を創造したのは神である」ことを心から認めるよう求めている。 それが神を礼拝することの1つの大きな目的である (神が天地を創造されたのは、私達に活動する場所を与えるためである。 その恵みを心から感謝することが必要である)。

(2) 「あなたは、あのイゼベルという女のすることを大目に見ている。 この女は・・・わたしの僕たちを教え、また惑わして、みだらなことをさせ・・・。 わたしは悔い改める機会を与えたが、この女はみだらな行いを悔い改めようとしない。 見よ、わたしはこの女を床に伏せさせよう。この女と共にみだらなことをする者たちも、 その行いを悔い改めないなら、ひどい苦しみに遭わせよう。」というメッセージ
 先に述べた通り、福音が述べ伝えられたヨーロッパ、アメリカ及びその他の地域で、 性の乱れが進んでいる。それに応答するように AIDS/HIV が流行しており、 また、クラミジア、HPV 等の性感染症が増えている。 アメリカの20〜24歳の女性の45%、 日本の20代女性の約30%が HPV に感染している。 これを大きな警告として受け止め、みだらなことをしないよう気を付けるべきである。

(3) 「あなたは、冷たくもなく熱くもない。 なまぬるいのでわたしはあなたを口から吐き出そうとしている」というメッセージ
あなたはこの世に対して燭台、現在の言葉で言えば、 夜、暗い海の上で位置または方向を示す灯台として働いているだろうか。

イエスは言われる。「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。 だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、 わたしは中に入ってその者と共に食事をし、 彼もまた、わたしと共に食事をするであろう。」(黙示録3:20)

イエスに祈ろう。「主よ、どうぞお来し下さい。」




(上の絵は最後の晩餐:レオナルド・ダ・ビンチ)